貝島町の用水
貝島町の用水は、黒川の流路によって変遷してきました。 黒川の流路は、江戸時代
の中期には府所の元水神さん下のテイセン付近で東に曲がり、上野台地の崖下をながれて
いました。そのため貝島は、黒川の西側にでしたので、この時期の用水は黒川の上流の玉田から
取り入れられていました。
ところが、明和年間(1764~1772)ごろの洪水以降は、流れが大きく変わり、
ほぼ現状に近い状況となりました。そのため貝島は黒川により、東西に分断されてしまいました。
したがって、黒川の東側の用水の取り入れ口がなくなったため、これを整備する必要があり、
武子川支流(西武子川?)の余水を丸滝から取り入れるようになりました。しかし、水不足は解消
されなかったため、新たに府所地内の中河原から取水し、新堀を開削して丸滝へ誘水し豊富
な水量を確保しました。
その反面、その西武子川は、たびたび、洪水、氾濫し多大な犠牲者がでています。用水の
取水口の丸滝には現在、西武子川改修記念碑があり、自然災害伝承碑となっています。
画 像 | 説 明 |
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●西武子川改修記念碑● 丸滝近辺の現状は、西武子川改修記念碑があり、自然災害伝承碑となっています。この場所は公園として整備されています。 自然災害伝承碑は 全国620市区町村2,137基となっていますが、鹿沼市には現在、ここ一カ所しかありません。建立のいわれは、1947年9月のカスリーン台風による多大な被害を出したことによります。 |
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●用水取り入れ口● 貝島今宮神社付近で三分流する用水の取り入れ口です。この場所は西武子川公園の川東に 位置します。自動式の水門で川の水をせき止め、一部を用水として取り入れ、残った余水を水門を オーバーフローさせ、下流に流しています。 |
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●社務所裏用水● 貝島今宮神社の社務所の西側を流れる用水の流れです。この付近はよく整備されて ており、冬場は、水鳥が遊びに来ることがあります。 |
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●神社裏用水水門● 貝島今宮神社の西側にある水門です。かなり老朽化しており、現在機能しているか どうかは不明です。 |
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●西武子川(取水口橋北)● 西武子川公園から用水の取水口へ向かう西武子川にかかる橋から見た風景です。 川の水が満々と蓄えられています。 |
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●西武子川(悪水橋北)● 悪水橋(国道にかかる)から見た西武子川です。近年も台風19号をはじめ として幾度となく、この川の増水分と黒川の水が逆流分が合流し、付近の道路や橋が冠水 してしまいました。西武子川は、付近に用水を配水するため整備されてきましたが、一方で このような問題も発生しています。 |